社会構造の問題
人頭権制度は、年季奉公人を雇える金持ちだけが潤う結果になった。
彼らは川沿いの水運に恵まれた肥沃な土地を独占し、
年季奉公を終えた人たちには不便な僻地しか残されていなかった。
僻地では先住民と接触することも度々で、衝突も増えた。
議会で発言しようとしても、代議会(下院に相当)の選挙権は一定量の財産を持っていることが条件だったので、大農園主以外は締め出されていた。
評議会(上院に相当)のメンバーは本国が派遣した総督が選考するので、上記と合わせて大農園主による政治の独占が生じた。
評議員選考や選挙権の基準は本国と同じ制度だったので、植民地ゆえの不公平ではない。むしろ自然条件が大きく影響したといえる。
物資を集めやすい大河川沿いには都市が建設されるが、ヴァージニアでは無数の小さな川沿いに農園が存在するので、流通拠点となるような大きな港が建設できなかった。その結果、中流階級を担う商人が育成されなかったのである。