ゼロから学ぶアメリカ合衆国

ゼロから学んだアメリカ合衆国をわかりやすく説明

奴隷制度

 1676年のベーコンの反乱は、大農園主に大きなショックを与えた。

年季奉公人は自由になれば、反乱に加担した下層階級の一員となる。

それなら黒人奴隷を雇えば、平和な世の中になるのでは?と考えるようになる。

 

そもそも黒人奴隷は高額で、1/3の費用で済む年季奉公人の方が安上がりだった。

しかも法律では、洗礼を受けてキリスト教に改宗すれば、奴隷ではなく自由人となる。

奴隷所有者にとっては、都合の悪い条件ばかりである。

 

ところが1667年の法律により、キリスト教に改宗しても奴隷は解放されないとされた。

先立つ1662年には、奴隷の女性から生まれた子供は、父親の身分にかかわりなく、奴隷の身分を相続するという法律が制定される。本国の法体系とは異質の、母系制の原理を盛り込んだのである。

こうした”法整備”で、奴隷は一度購入したら死ぬまで使役でき、彼らの子孫も永代無料で獲得できるコスパの高い商品に変化したのである。