ゼロから学ぶアメリカ合衆国

ゼロから学んだアメリカ合衆国をわかりやすく説明

世界一の工業国へ

 南北戦争は、北部の工業力が南部の農業に勝利したことでもあった。

綿花栽培における奴隷労働は、皮肉にも機械の仕事に取って代わった。

農業機械の導入は、南北戦争中にも食糧の生産量を大いに増やした。

19世紀末に工業生産量は、イギリスやプロイセン(ドイツ)を抜いて、世界1位になる。

 豊富な資源・労働力・市場といった要素は言うまでもないが、他国との違いは「工程の機械化分業化」である。

 広大な土地を少ない人数で管理する必要のあったアメリカでは、発明に熱心だった。

19世紀における特許件数は他を圧倒しており、エジソンのような発明家を輩出した。

 もう一つは「アメリカ式製造方式」と呼ばれるものである。

従来の生産工程では、一人の熟練職人がすべての工程を手作業していた。

ところが熟練工不足のアメリカでは、製造工程を素人でもできる単純作業に分解した。

一つの部品しか作れない素人のおかげで部品の互換性が実現し、メンテナンスの簡単な製品が出来上がった。

こうした効率化は、フォード車の流れ作業方式に発展する。