南北戦争(1861~65)
南部諸州が、合衆国から離脱したことを発端に、両者が繰り広げた内戦である。
アメリカでは、Civil War(内戦の意味)と表記する。
内戦の背景は、建国以来拡大し続けた北部と南部の利権対立だ。
北部は商・工・農業がバランス良く発達したが、南部は綿花栽培に依存していた。
北部は地域内だけで経済が成立したが、南部は外国との貿易に依存していた。
産業構造の違いから、金融・関税政策等を巡って真っ向から対立するが、
人口と州の数が北部優勢になったので、多数決では南部の意見が通らなくなる。
奴隷制は、切実な経済問題だった。
綿花栽培は人手がかかり、奴隷労働に依存せざるを得なかった。
一方の北部は機械化の恩恵を受け、「奴隷制は取り除くべき害悪」と考えるゆとりがあった。
ゆとりのない南部の支配層には、大日本帝国存続にはアジア侵略しかないと考えた軍部エリートに通じるものがある。
南北戦争戦争から50年後、アメリカは第一次世界大戦という経験を通して、未曾有の強国に成り上がる。