ゼロから学ぶアメリカ合衆国

ゼロから学んだアメリカ合衆国をわかりやすく説明

特異な存在の植民地

   建国時点で13あった植民地だが、そのシステムをおさらいする。

  新大陸は未開の地だったが、勝手に移住して良いわけではなかった。国王からの特許状が必要だった。

未開の地で、独りでは生きて行けない。共同体が必要になる。資金や船舶、船乗りなども必要になる。そのために会社が設立された。プロジェクトを立ち上げてマネージメントするリーダーと、実際に新大陸で作業する人たち(移民)、植民プロジェクトから上がる利益配当を見込んで資金を出資する資本家という、まったく別の人たちがロンドンでマッチングされたのだ。現在の株式会社に通じるシステムである。

  植民地が設立されると、総督および議会が設置された。17世紀末には、二院制の植民地議会が出来上がっている。

ヨーロッパ列強の植民地は、現地政府を倒して現地民を支配するシステムだったが、アメリカではインカやアステカ帝国のような征服すべき政府が存在しなかった。また、先住民の人口密度も小さく、彼らを搾取することもできなかった。征服民から富を吸い上げるという「典型的」植民地ではなかったのである。したがって本国からの移民が大変な思いをして、農地やインフラをゼロから構築していった。結果的に、自立心が強く、本国の住民と同等の権利を求める集団が誕生したのである。

 

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