ゼロから学ぶアメリカ合衆国

ゼロから学んだアメリカ合衆国をわかりやすく説明

中部・・・ニューヨーク植民地

   中部を探検し、植民したのはオランダだった。1625年にはハドソン川の河口部マンハッタン島へ定住した。先住民との毛皮貿易で栄えたが、1664年にイギリス艦隊が侵略し、無抵抗で明け渡す。チャールズ2世は弟のヨーク公を領主とし、「ニューヨーク」と改名する。その後も繁栄は続き、建国後まもなく最大の都市に成長する。

  オランダは、建国時の設立趣意書で「宗教的寛容」を謳っていた。宗教改革後もカトリックプロテスタントが血で血を洗う争いを繰り返していた中で、極めて特異なものだった。この精神は新大陸でも引き継がれ、イギリスに明け渡す際も「宗教的寛容」を保護することを条件とした。ユダヤ人を含むあらゆる文化・宗教が認められる多様性は、現在まで引き継がれている。当時から人種のるつぼだったのである。アメリカの州法はイギリス法をベースにしているが、ニューヨーク州はオランダ法の流れを汲んでいる。お馴染みのブルックリン、ブロンクス、ハーレムといった地名にオランダ語が残されている。

  ニューネーデルランドと呼ばれた中部にはニューヨークのほかに、デラウエア、ペンシルバニアニュージャージーといった植民地が建設された。

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