ゼロから学ぶアメリカ合衆国

ゼロから学んだアメリカ合衆国をわかりやすく説明

ペンシルヴァニア植民地

 チャールズ2世の勅許をもとにウイリアム・ペンJr.が設立した。「ペンの森」のラテン語読みがペンシルヴァニアである。

 1638年以降、デラウェア川西岸にニュースウェーデン会社が入植したが、1655年にオランダに征服される。その後1664年にイギリスがオランダを退け、ニューヨーク植民地の一部となる。

 1681年にクエーカー教徒だったペンが、本国で迫害に遭う同教徒を救済するべく、土地を取得し、ニューヨーク植民地から分離した。

ペンの父親は英国国教会信徒で、チャールズ2世は彼に大きな恩があった。「ペンの森」のペンは父親の名前で、忠臣に報いつつも、クエーカーに改宗した息子を厄介払いする意図もあって、下賜されたのである。

 ペンシルバニアでは信教の自由ゆえに、宗派に関わりなくヨーロッパ中から移民が殺到した。「兄弟愛」を意味するフィラデルフィア市は、英領植民地最大の都市に成長し、アメリカ合衆国最初の首都にもなった。

 土地の範囲は、南北が北緯39~42度線、東はデラウェア川を境界とし、東西に経度5度分が割り当てられた。ほぼ幾何学的な形であると同時に、西側の境界線が明文化された点が興味深い。

 当初はデラウェア植民地も含まれたが、1704年に分離した。その結果唯一、海がない植民地になった。