ゼロから学ぶアメリカ合衆国

ゼロから学んだアメリカ合衆国をわかりやすく説明

モンロー宣言(外的脅威の排除、領土拡張)

 独立後も、外敵の恐怖は絶えなかった。

流通の大動脈は大西洋とミシシッピ川の水運だが、川の向う岸と河港ニューオリンズはフランス領だった。この土地を1803年にナポレオンから購入して、ミシシッピ航路の安全を確保した(ルイジアナ購入)。

1812年にはイギリスと再び戦争をした(米英戦争)。大西洋を航行するアメリカ商船にイギリス軍が度々干渉したことによる。貿易ができなくなった結果として工業が発達して、イギリスへの経済的依存から脱却できた。

1819年にはスペインからフロリダ半島を、1867年にはロシアからアラスカを購入して、南と北からの脅威も取り除かれた。

 

 

一方で侵略の歴史も古い。先住民の土地を奪う行為は、入植元年から続いている。

上記の米英戦争の動機は、イギリス領カナダの獲得も大きく関係していた。

北米のスペイン領が「メキシコ」として独立するが、メキシコ領テキサスを奪い、米墨戦争では太平洋岸まで占領してしまう。こうして西部への領土拡張は終わりを迎える。

 

 外敵の脅威からアメリカを守るには、ヨーロッパの揉め事に中立というのが、ワシントン以来の外交方針だったが、これを世界に宣言したのがモンロー大統領である。

19世紀初頭、中南米の植民地独立運動にヨーロッパ各国が干渉して、自国の勢力圏に取り込もうとした。これに対してモンローは、アメリカはヨーロッパ大陸に干渉しないから、ヨーロッパも南北アメリカ大陸に干渉すべきではないと牽制した。

モンロー宣言は、建国以来のアメリカ外交方針を説明する重要な言葉である。ヨーロッパ諸国とは同盟を結ばないという中立路線のみならず、中南米は俺のシマだというメッセージでもある。

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