ゼロから学ぶアメリカ合衆国

ゼロから学んだアメリカ合衆国をわかりやすく説明

ソ連の台頭と国際連合

ソ連の台頭

 アメリカは第二次世界大戦に深入りしなかった結果、傷を負わずに済んだ。

連合国(原語:United Nations)への武器を貸与は、ヨーロッパとその植民地の市場を解放する条件で行い、戦後の市場もリザーブした。

しかし、東部戦線(独ソ戦)を援助しなかったことにより、恒久的な代償を払うことになる。

 

ヨーロッパ大陸でドイツと戦った国家は、ソ連だけだった(ほかの国はドイツに占領されたか、中立の立場を取るしかなかった)。

敵の敵は味方(ドイツの敵は自分達の味方)という考えのもと、水と油のような共産主義勢力を連合国に取り込んだのが、そもそもの間違いだった。

ソ連は、ドイツの猛攻撃を跳ね返せるだけの工業力・天然資源・人口を持っていた。

ソ連英米と共に「ヨーロッパの開放者」として、絶大な発言力を得たのである。

ソ連は、ドイツを追い出した東欧に共産主義政権を樹立させ、アメリカに対抗できる存在になった。

共産主義と資本主義という相容れない考えのゆえに、まもなく米ソは敵対する関係になる。両者が経済・軍事の共同体を作り、冷戦時代と呼ばれる世界の二極化が始まる。

 

国際連合(United Nations)

 平和の使者というクリーンなイメージが伴うが、これは意訳した日本外務省の思惑による。原語UN(United Nations)は「連合国」という意味で、第二次世界大戦戦勝国と同じ名称なのである。実態はアメリカを中心とする連合国が、戦後の世界秩序を構築するための代理機関である。

新大陸と太平洋のみならず、アジア・アフリカ・ヨーロッパを含む世界全体に進出することが目的である。

第二次世界大戦中、アメリカの経済規模は3倍に膨れ上がり、約半分を軍需生産が占めた。戦争後に、肥大化した経済体制を吸収する新たな受け皿が必要だったのである。

安全保障会議におけるソ連の拒否権が泣き所となってしまったが、国連はアメリカの権益を遂行するための代理機関として機能し続けている。

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