ゼロから学ぶアメリカ合衆国

ゼロから学んだアメリカ合衆国をわかりやすく説明

連合規約と憲法制定

各州の自治が既に確立していたのとは対照的に、連邦政府の枠組みは不備が多かった。

イギリスと戦争するには各州が一致団結する必要があるので急造の「連合規約」を作ったが、州の緩やかな連合に過ぎず、連邦政府は国防と外交しか権限を持たなかった。

「暴力的かつ巨大な権力(=イギリス)」からの独立という経緯から、大きな権限をもつ中央政府を強く警戒する人が多かった。連邦政府は課税権すら持ち合わせず、各州の拠出金で運営する状態だった。

しかし不安定で脆弱な政府は、外国からの信用を得られない。

それで、連邦政府の権限強化と国民の権利の保障を明記した「合衆国憲法」を作成した。強い連邦政府と個人の自由・平等を両立させるために、三権分立というアイデアが世界で初めて盛り込まれた。独立宣言から12年後に初めての大統領選挙が行われ、ジョージ・ワシントンが選ばれた。

当時の合衆国憲法は、先住民や黒人奴隷を念頭に置いていないことを忘れはならない。彼らは合衆国市民ではなかったのである。

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