ゼロから学ぶアメリカ合衆国

ゼロから学んだアメリカ合衆国をわかりやすく説明

宗教

プロテスタントが5割、カトリックが2割、無神論も2割を占めている。

最大の宗派は、意外にもローマカトリックである。プロテスタントには無数の宗派が存在するが、ここではアメリカらしさを醸し出す宗派を紹介する。

バプテスト派連合

 プロテスタントの最大勢力で、信徒数は全米の2割を占めると言われる。幼児洗礼を認めず、成人の自覚的信仰に基づくバプテスマ(浸礼・・・全身を水中に沈める)が救いに不可欠と説く。

メソジスト派連合

 上記に次ぐ勢力で、信者数は全米の5%とされる。聖霊の役割を強調しており、布教活動や社会活動を重視する。

会衆派

 地域の各教会の自立性と民主的運営が特徴。信徒数は1%未満だが、かつてはピューリタン的性格が濃く、独立戦争までは重要な役割を演じた。

 

聖公会イギリス国教会

 英国王をトップとする。政治的動機で誕生したのが特徴で、カトリックプロテスタントをミックスした教義。信徒数は1%未満だが、今も昔もエリート層が多い。上記3派も、聖公会から分派した。

 

福音派 黒人教会

 特定の宗派を指す言葉ではなく、特定の傾向を持つ分派をまとめたカテゴリーである。

福音派は、キリスト教の原点に立ち返れという歴代の運動の一環で生まれた考えで、特に21世紀に大きな勢力となっている。「神を感じる」個人的経験を重視し、聖書の字句を厳格に解釈する。プロテスタントの中でも急進的な人々の総称。指導者のカリスマ性が重視される。

黒人教会は人種差別の名残であり、特にパプテスト派とメソジスト派に多い。また奴隷制の是非をきっかけに、ひとつの宗派が北部〇〇派と南部〇〇派に現在も分かれている宗派も多い。信仰心だけでアメリカの宗教は語れないのである。

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