社会保障
健康保険
先進国で唯一、国民皆保険制度が存在しないのがアメリカである。
公的保険がカバーしているのは、年金受給者と低所得者だけである。
国民の大半は、保険会社の保険商品に任意で加入することで対処している。
掛金がかなり高額な上、保険商品によって補償範囲もバラバラである。自己破産の過半数は、高額な保険料が原因といわれている。
医療費も高額で、医師に診察してもらうだけで、弁護士事務所へ相談に行くのと変わらない金額を請求される。簡単な治療でも数十万円かかる。だから、駐米邦人は、歯の治療も含めて日本で済ませるのが常識である。
保険料も医療費も払えないため、むし歯も含めて悪い箇所を放置しておくことは、アメリカでは珍しい事ではない。
年金制度
世界恐慌の時に公的年金制度(日本の国民年金に相当)が誕生したが、加入できるのは労働者のみである。
したがって専業主婦を含む無職の者は加入できないが、専業主婦は家族年金で5割分支給される。
厚生年金に相当する部分は、日本のように掛金に応じた支給額(確定給付型)のほかに、掛金を投資して資産を増やす確定拠出型も選べる。当然ながら、投資にはリスクが伴い、元本割れや破産した被保険者も多い。
一流企業の企業年金は、退職時の収入に近い額が支給される。