ヨーロッパ列強の入植史
アメリカへの植民を行ったのは、イギリスだけではない。陸続きのカナダも含めて、その歴史を国ごとに解説していく。
イギリス
カナダのニューファンドランド島と、マサチューセッツ、ヴァージニアの3か所から植民を始め、北米大陸の大西洋岸を掌握する。七年戦争に勝利して、1763年にはフランス領をすべて手に入れる。アメリカは1776年、カナダは1949年に独立する。
フランス
ビーバーの毛皮貿易に有利なセントローレンス川と水源の五大湖に沿って入植がはじまる。イギリスもハドソン湾で毛皮貿易を始めて独占体制が崩れると、五大湖南側のミシシッピ川を下り、メキシコ湾に達する。ルイ14世にちなんで、この流域は「ルイジアナ」と呼ばれる。七年戦争後の1763年にすべてを失う※。先住民との関係は良好だった。
※1803年のルイジアナ購入と矛盾するように見えるが、ミシシッピ川西岸を1762年にスペインへ売り渡し、ナポレオンが1800年に取り戻した経緯がある。
スペイン
メキシコから北上し、1543年までには太平洋岸のバンクーバーまでを領有する。太平洋岸の領土は、19世紀のメキシコ独立によって失う。フロリダもほぼ全期間領有していたが、1819年にアメリカ合衆国へ売却する。
オランダ
コネチカット川、ハドソン川、デラウェア川に沿って入植する。植民地が南部と北部に分断されることを嫌ったイギリスが1664年に侵略し、すべてを失う。