ゼロから学ぶアメリカ合衆国

ゼロから学んだアメリカ合衆国をわかりやすく説明

南部・・・ヴァージニア植民地

  入植を承認した女王エリザベス1世にちなんで、その地はヴァージニアと命名された(植民は失敗)。現在のヴァージニア州や首都ワシントンの位置する地域である。

恒久的な植民は1607年以降であり、時の王ジェームズ1世にちなんで、町の名前はジェームズタウン命名された。余談だが、英語圏で一番ポピュラーなジェームズ王欽定訳聖書も彼の名前に由来する。

  根拠のない一攫千金と黄金探しにしか目がない人たちの集まりだったために存続が危ぶまれたが、葉タバコの栽培が成功すると一変する。さらに人頭権制と呼ばれる大規模経営が有利な土地配分により、大勢の年季契約奉公人に畑を耕させる大農園のオーナーが次々と誕生した。しかし期間限定雇用ゆえの労働力の不安定さ、人件費といった問題がオーナーの悩みだった。

まもなく植民地議会が誕生する。議員はほとんどが葉タバコプランテーションの農園主だったので、彼らの発言力は、どんどん強まった。

1676年には、待遇に不満を持つ奉公人たちを率いた「ベーコンの反乱」が起きる。大規模な反乱は最終的に鎮圧されるが、農園主は、年季奉公人よりも従順で安上がりな黒人奴隷へ労働力をシフトする。

  南部の別の特徴は、商業が発達しなかったことである。地形上の問題で、タバコ製品の集積所となる港湾都市が作れず、商人が育成されなかった。

最古の植民地にして南部最大人口を誇ったヴァージニアは、ワシントンを初めとする有名かつ有能な人材を多く輩出した。

ヴァージニアを筆頭に、メリーランド、ノースカロライナサウスカロライナジョージア植民地が建設されるが、いずれも同じ末路を辿る。新大陸入植から50年も経過すると、「南部らしさ」は既に出来上がっていた。

 

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